メルカリで事業用の備品や仕入れを購入したとき、「領収書が出ないけれど経費にできるの?」と迷う方は多いはずです。結論から言うと、メルカリでは原則として領収書は発行されません。しかし、領収書の代わりになる書類は複数あり、正しく保存すれば経費計上も確定申告も問題なく行えます。

本記事では、購入者・出品者それぞれの立場から「メルカリ 領収書代わり」になる書類と入手手順、経費・確定申告での扱い、インボイス対応までを、表と手順を交えて実務目線で解説します。

この記事の要点

  • メルカリ本体は領収書を発行しない(売買の「場」を提供する立場のため)
  • 取引画面のスクショ・購入完了メール・カード明細などが領収書の代わりになる
  • 事業関連性があり、金額・日付・取引先が分かれば経費計上は可能
  • 個人出品者にインボイス発行義務はない(仕入税額控除は経過措置を確認)

メルカリ 領収書代わりの大前提:なぜ領収書が発行されないのか

まず押さえるべきは、「領収書が出ないのはメルカリの仕様であり、異常ではない」という点です。ここを理解しておくと、代替書類への切り替えがスムーズになります。

メルカリが領収書を発行しない理由

メルカリは商品売買の「場(プラットフォーム)」を提供するサービスであり、個々の取引の金銭授受に直接関与しているわけではありません。決済はメルカリが仲介しますが、契約上の売買当事者は出品者と購入者です。

そのため、メルカリ自身が購入者に対して領収書を発行する立場にありません。利用規約やヘルプセンターを確認しても、メルカリが領収書を自動発行するという記載はありません。

ポイント:領収書が「出ない」のではなく、「メルカリが発行する性質のものではない」と理解すると、代替手段を探しやすくなります。

領収書がなくても経費にできる根拠

税務上、経費計上で重要なのは「支払いの事実」と「事業との関連性」を客観的に示せることです。領収書はその証拠の一形態にすぎません。

法人税法・所得税法上、帳簿と取引の証拠書類の保存が求められますが、証拠は領収書に限定されていません。取引画面のスクリーンショットやカード明細など、金額・日付・取引先が分かる記録があれば、支払いを裏付ける書類として機能します。

  • 領収書は「支払いを証明する手段の一つ」にすぎない
  • 取引内容・金額・日付・取引相手が分かれば代替できる
  • 私的な購入は対象外(事業関連性が前提)

電子帳簿保存法との関係

メルカリの取引画面やメールは「電子的に授受した取引情報」にあたるため、**電子帳簿保存法(電子取引データ保存)**の対象になり得ます。2024年1月以降、電子取引のデータは原則として電子のまま保存する必要があります。

スクリーンショットや購入完了メールは、印刷して紙で残すだけでなく、データとしても保管しておくと安心です。ファイル名に日付・取引先・金額を入れておくと、後から検索しやすくなります。

【購入者向け】メルカリで領収書の代わりになる書類一覧

ここからは実務の中心です。購入者がメルカリで「領収書代わり」に使える書類を一覧で整理し、それぞれの入手手順を解説します。

代替書類の比較表

どの書類をどんな場面で使うか、まず全体像を表で把握しましょう。

代替書類入手のしやすさ証憑としての強さ主な記録内容適した場面
取引画面のスクリーンショット◎ すぐ取得可○ 中〜高商品名・金額・取引日・出品者全般の基本証憑
購入完了メール◎ 自動受信○ 中注文番号・金額・日付スクショの補強
クレジットカード明細○ 後日反映◎ 高決済額・決済日・利用先支払いの裏付け
メルペイ/残高の取引履歴◎ アプリ内○ 中〜高支払額・日時残高払い時
コンビニ・ATM払いの控え△ 紙で受領○ 中支払額・日時現金系決済時
メルカリShopsの領収書△ 出品者次第◎ 高正式な領収内容事業者出品からの購入

単独で不安な場合は、スクリーンショット+決済明細のように複数を組み合わせると証憑性が大きく高まります。

取引画面スクリーンショットの取得手順

最も手軽で基本となるのが取引画面のスクリーンショットです。以下の手順で保存します。

  1. メルカリアプリの「マイページ」→「購入した商品」を開く
  2. 対象の取引をタップして取引画面を表示する
  3. 商品名・商品画像・取引金額・取引日・出品者名が写る画面でスクリーンショットを撮る
  4. 購入明細(送料・手数料の内訳が見える画面)も併せて保存する
  5. 撮影した画像を日付・金額が分かるファイル名で保管する

スクリーンショットで残しておきたい情報は次のとおりです。

  • 商品名・商品画像
  • 取引金額(できれば内訳)
  • 取引日(購入日・受取日)
  • 出品者名またはショップ名

カード明細・支払い控えの保存

クレジットカード払いの場合、後日発行されるカード明細が強力な証憑になります。利用先・決済額・決済日が記録されるため、スクリーンショットと突き合わせれば支払いの客観性が高まります。

  • クレジットカード明細:Web明細をPDFやスクショで保存
  • メルペイ・売上金払い:アプリの「メルペイ」→履歴を保存
  • コンビニ払い・ATM払い:受け取った払込控え(振込明細書)を保管

どの決済手段でも、「いつ・いくら・どこへ支払ったか」が残る記録を必ず1つは確保しておきましょう。

【出品者向け】領収書発行を依頼されたときの対応

出品者側にも知っておくべき論点があります。購入者から「領収書を発行してほしい」と依頼されたとき、個人出品者はどう対応すべきかを整理します。

個人出品者に発行義務はあるか

結論として、メルカリの規約上も法律上も、個人出品者に領収書を発行する明確な義務はありません。民法上、代金を受け取った者は受取証書(領収書)の交付請求に応じる場面もありますが、メルカリでは決済をメルカリが仲介しており、出品者が直接代金を受領しているわけではないため、義務は限定的と考えられます。

そのため、依頼を受けても発行は任意です。トラブルを避けたい場合は、無理に発行せず代替手段を案内するのが無難です。

依頼を断る・代替案を示す方法

発行を断る際は、購入者が困らないよう代替手段を丁寧に案内するのがポイントです。以下のように対応すると角が立ちません。

  • 「メルカリでは取引画面のスクリーンショットが領収書の代わりになります」と案内する
  • 取引メッセージで購入の事実(商品名・金額・日付)を改めて記載しておく
  • どうしても発行する場合は、宛名・金額・但し書き・日付・発行者名を記載した書面を作成する

注意:個人出品で領収書を発行する場合、二重発行(スクショと領収書の両方)による不正利用を避けるため、「スクリーンショットでの経費処理は控えてください」と一言添えると安全です。

メルカリShops(事業者出品)の場合

メルカリShopsとして事業者が出品している場合は、ショップによって独自の領収書を発行してくれることがあります。購入者は取引メッセージで問い合わせてみましょう。

事業者出品であれば、適格請求書発行事業者として登録しているケースもあり、その場合はインボイス(適格請求書)の発行が期待できます。後述のインボイス対応とも関わる重要なポイントです。

メルカリの取引を経費計上・確定申告に活用する方法

証憑を揃えたら、次は実際の経費計上と確定申告です。判断基準と保存のコツを押さえましょう。

経費にできるかの判断基準

メルカリで購入した商品が経費として認められるかは、「その支出が事業に直接関連しているか」で判断します。

  • ○ 事業用の備品・消耗品・仕入れ → 経費計上可
  • △ 事業と私用が混在する物 → 家事按分で事業割合のみ計上
  • × 完全に私的な購入 → 経費にできない

事業関連性を説明できるよう、「何の目的で購入したか」をメモや帳簿の摘要欄に残しておくと、後の説明が容易になります。

仕訳の具体例

メルカリで事業用品を購入した場合の基本的な仕訳例です。摘要には「メルカリ・商品名・取引日」を記載しておきます。

取引内容借方貸方摘要
事業用の中古機材を1万円で購入(カード払い)消耗品費 10,000未払金 10,000メルカリ/中古〇〇
仕入れ用商品を5,000円で購入(メルペイ残高)仕入高 5,000現金預金 5,000メルカリ/〇〇仕入
10万円以上の備品を購入工具器具備品 / 資産計上未払金 等減価償却の対象

10万円以上の備品は一括で経費にできず減価償却の対象になる点に注意してください。詳しくは減価償却の仕訳減価償却費 勘定科目の解説も参考になります。

出金伝票による補完

決済明細もスクショも残せなかった場合の最終手段として、出金伝票を自作する方法があります。出金伝票には以下を記載します。

  1. 支払日
  2. 支払先(出品者名・メルカリ)
  3. 金額
  4. 但し書き(何を購入したか)

出金伝票はあくまで補完的な書類です。可能な限り取引画面のスクショや明細とセットで保存し、客観的な裏付けを優先しましょう。

メルカリ領収書とインボイス(適格請求書)の関係

インボイス制度の開始で、メルカリ購入と仕入税額控除の関係に悩む方が増えています。ここを正しく理解しておきましょう。

個人出品者からの購入は仕入税額控除できる?

個人出品者は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書(インボイス)は発行できません。したがって、原則として仕入税額控除は適用できません。

ただし、制度開始に伴う経過措置があり、免税事業者等からの課税仕入れについても一定割合の控除が認められる期間があります。

期間控除できる割合
2023年10月〜2026年9月仕入税額相当額の80%
2026年10月〜2029年9月仕入税額相当額の50%
2029年10月以降控除不可

経過措置の適用にも、帳簿への一定事項の記載と取引の記録保存が必要です。スクリーンショットや明細はここでも役立ちます。

メルカリShopsの登録事業者から買う場合

メルカリShopsに出店している事業者が適格請求書発行事業者であれば、適格請求書を発行できる場合があります。仕入税額控除をフルに受けたい場合は、購入前に取引相手の登録状況を確認しましょう。

  • 取引メッセージで「適格請求書(インボイス)の発行可否」を確認する
  • 発行可能なら登録番号付きの請求書を受領・保存する
  • 不可なら経過措置の範囲で処理する

インボイス時代の証憑管理のコツ

インボイス制度下では、「誰から・いくらで買い・登録事業者か否か」を区別して記録することが重要になります。経理の手間は確実に増えています。

  • 仕入先が課税事業者か免税事業者かを摘要で区別する
  • 電子取引データは電子帳簿保存法に沿って保存する
  • 件数が多いなら証憑の電子化・自動仕訳の仕組みを検討する

メルカリ購入の経理を効率化する:AI仕訳という選択肢

ここまで見てきたとおり、メルカリ購入の経理は「証憑の保存」「仕訳」「インボイス区分」と手間が重なります。取引件数が増えると、現場の負担は無視できません。

手入力の限界とAI-OCRの活用

メルカリの取引画面スクショやカード明細、コンビニ控えなどを、人手で1枚ずつ会計ソフトに入力するのは時間がかかります。月に数十件・数百件規模になると、入力ミスや計上漏れのリスクも高まります。

そこで近年活用が広がっているのが、AI-OCRで証憑を読み取り、自動で仕訳データを生成する仕組みです。領収書・レシート・クレジットカード明細・銀行通帳などをスキャンするだけで、仕訳の下書きが作られます。

AI仕訳でできること

AI仕訳(運営:株式会社Saucer)は、領収書・レシート・カード明細・通帳をスキャンし、AIが仕訳データを自動生成するサービスです。生成したデータは会計ソフトにCSVで取り込めます。

項目内容
入力対象領収書/レシート/カード明細/銀行通帳
会計ソフト連携マネーフォワード クラウド会計/freee会計/弥生会計にCSV取込(他のCSVインポート対応ソフトも順次拡大)
処理速度1枚あたり数秒〜数十秒で仕訳データ生成
サポート公式LINEでのサポート
対応スキャナScanSnapシリーズ(A4対応)

税理士事務所の記帳代行効率化にも、一般企業の経理の自動化にも活用できます。

紙のレシートやカード明細が多い事業者ほど、入力負担の軽減効果を感じやすい仕組みです。料金や最新のキャンペーン情報は公式サイトでご確認ください。

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経理効率化の関連トピックは、システム利用料 勘定科目エクセル 帳簿の記事も参考になります。経費・領収書まわりの記事は経費・領収書カテゴリにまとめています。

メルカリ領収書に関するよくある質問(FAQ)

最後に、メルカリの領収書・経費まわりでよく寄せられる質問に回答します。

経費・確定申告について

Q. メルカリで領収書がなくても経費として認められますか? 取引画面のスクショ・購入完了メール・カード明細など、金額・日付・取引先が分かる記録があれば経費計上は可能です。事業関連性があることが前提です。

Q. メルカリ確定申告で領収書がない場合は? 代替証憑(スクショ・明細・控え)を保存し、必要に応じて出金伝票で補完します。摘要に購入目的を残し、事業との関連を説明できる状態にしておきましょう。

領収書の入手・発行について

Q. メルカリで買った時の領収書はどうやって発行する? 本体には購入者向け発行機能が原則ないため、取引画面のスクショで代替します。メルカリShopsなら出品者に発行を依頼できる場合があります。

Q. メルカリで領収書発行を断ってもいい?(断り方) 個人出品者に発行義務は原則ないため、断っても問題ありません。「取引画面のスクリーンショットをご利用ください」と案内するのが無難です。

仕入れ・インボイスについて

Q. メルカリの仕入れで領収書がなくても支払いはできますか? 支払い自体は成立します。経費計上のために取引画面のスクショ・支払明細・受取記録をセットで保存しましょう。

Q. メルカリの領収書はインボイスとして使える? 個人出品者は適格請求書を発行できず、原則仕入税額控除は不可です。経過措置の範囲、またはメルカリShopsの登録事業者かどうかを確認してください。


メルカリでは領収書こそ発行されませんが、取引画面のスクリーンショットや決済明細を正しく保存すれば、経費計上も確定申告も問題なく行えます。購入者は複数の証憑を組み合わせて客観性を高め、出品者は代替手段を丁寧に案内する——この基本を押さえれば、メルカリ取引の経理は十分にカバーできます。取引件数が多い場合は、証憑の電子化や自動仕訳の仕組みを取り入れ、無理のない経理体制を整えていきましょう。

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